今日からネのつく自由業? 7



 …意気込んでみたものの…。
 具体的にどうすればいいかなんて、わからない。
 どうやったらコンラッドにオレだってわかってもらえそうなんだ?!さすがにボディーランゲジだと伝わらないよな…。第一、「渋谷有利原宿不利」ってジェスチャーはどうすればいいわけ?もはや手話じゃないと通じないだろう。ん?眞魔国に手話ってあるのか?あったとしても、オレのこのネコ手じゃ無理だよな。
 オレはピンク色の肉球を見つめた。まーさか自分の手がこんなことになろうとは…。ついでに手を閉じたり開いたりする動きをしてみたけど、指はさすがに手話ができるほど動かない。おお、爪が伸びるぜ。へぇ、犬と違ってネコって爪は武器だもんな。必殺仕事人みたいな感じ?
 「どうしたんだ?爪でもとぎたいのか?」
 うぉッ!コンラッドってば、いつの間に背後にいたの?
 「そんなに驚かなくても…ところで爪の手入れでもしたいのか?」
 いいえ〜。違う違う。ちょっと自分の新たな発見に感動していただけ…あ。
 「ならいいけど…」
 よくないよ…どうやったらアンタがオレのことを解るのか考えていたんだった。ああ〜、だからどうすればいいわけ?コンラッドが知っているオレだって解ることってどんなこと?
 えっ…と、コンラッドの中のシブヤ・ユーリは…まず魔王だよな?それでもって自分は名付け親なゴッド・ファーザーなわけで…オレだって解ること…名前?あ、でも口聞けないし、ペン持てない。…というか「オレ」だって気づかないとダメじゃんか。オレ、渋谷有利原宿不利だよって言ったんじゃ無効だよな…。
 ほかにいい案ないのかよ…頑張れ、オレの脳細胞!コンラッドが解るのには…絶対オレ!って思わないとダメなんだよな?絶対…というほどのことってなにかあったか?
 ん?絶対?
 オレのしっぽがぴんっと立つ。部屋を見渡すと、コンラッドは椅子に腰掛けて本なんて読んでいる。
 コンラッドが、これなら「オレ」しか知らないことっていうのは?コンラッドのことでオレしか知らないこと………。
 不機嫌な時とか嘘言うときに、傷がある方の眉がちょっぴり動くとか?でも、それって一般的なクセだから知っている人はほかにもいるよな…。というか自分のクセなんてふつー本人は知らないよ。ダメだ。
 そーゆー一般的なことじゃなくて…二人しか知らないことは?オレとコンラッドが二人っきりになるのは、そーゆーとき以外だとランニング?あー…だけど、今朝走ったけど「なんでコースを知っているんだ?」って不審がっていたけど、オレだってことはわかんなかったよな…。
 あとの時間は…食事はみんなと一緒だし、執務の時はギュンターかグウェンダルも一緒だ。あ!キャッチボール!…ってネコじゃグラブもボールも掴めませんッ!
 ほかに二人っきり……っていうと……やっぱりアレ?たしかにオレしか知らない…こともないか?今まで恋人とかそーゆー相手とか居なかったはずないし………って落ち込むな、オレ!今まではともかく、「今」はオレだけなんだしッ!
 そーゆー時のコンラッドって…オレはコンラッドしか知らないから、一般的なのかどうかはよくわかんない。ただ、コンラッドは結構シツコイ…ような気がするんだけど、これって一般的じゃない?その…最中に、オレからのキスしないと絶対納得しないし…いつも爽やかな笑顔のくせに、二人っきりだと…って!そんなこと知ってても、どうやって「オレ」だって示せばいいんだよッ!
 ぐるぐる考えてながら、耳のはしっこでコンラッドが本をめくる音を聞いていた。オレがなにひとつ良策をひねり出せない間に、ゆっくりと陽が傾いていく。熟れた柿みたいな色した太陽が稜線の向こうへと消えていくころ、コンラッドの読書も終わった。


 3度のメシは全員揃って、が眞魔国での食事のスタイルだ。ギーゼラやヨザックから言わせると「前代未聞の光景」らしいけど、やっぱりご飯はみんなで食った方がうまい。ツェリ様は自由恋愛旅行中なので不在だけど、所用で不在の時以外は眞魔国結構似てるね三兄弟とギュンターは同席する。
 「へ…いや、ネコの元気がないのではありませんか?コンラート」
 え?そんなことはないよ、受験の時より考えすぎて疲れただけ。
 「食べ疲れかな?昼間はずっと横になっていたけど、腹でも苦しいのか?」
 大丈夫だってば。
 「食べ疲れ?なにをそんなに食べたんだ?」
 先割れスプーンを華麗に動かしていたヴォルフラムの手が止まる。
 「お菓子だよ。エーフェが新作を作ったから、その試食だ」
 コンラッドの説明に、ヴォルフラムが意味ありげな視線をよこした。な、なんだよ…。ねめつけるようににらむと顔を近づけてくると、小声で話しかけてきた。
 『ネコになってもお前は尻軽だッ』
 なんだよー!フットワーク軽くてなにが悪いんだよ!それに、あの子はオレのために影ながら頑張ってくれているんだぞー!
 「そんな…やたらな物を食べさせるべきではないですよ、コンラート」
 ギュンターまで麗しい柳眉をひそめる。
 あのね、ギュンター。毒は入ってないと思うよ?
 「そんな大げさな。いずれ陛下のお口に入るものだから、『やたらな物』ではないよ。コイツが手伝ってくれたおかげで、エーフェは大分参考になったみたいだ」
 うんうん。
 「ほら、コイツだってこう言っているし」
 コンラッドはお礼のつもりなのか、オレを軽く撫でた。
 「それより、眞王廟の警護はどうなっているんだ?」
 ふいにコンラッドの声が固くなる。コンラッドはアニシナさんの嘘を信じて、オレが眞王廟に籠もっていると思っているのだ。その問いかけに答えたのは、今まで静かに食事をしていたグウェンダルだった。
 「眞王廟の警護ならば、我が軍の者があたっている。そんなに不安か?」
 いつもながら有無をいわさない重低音。
 「廟外の警護はいくらでも固められるが、内側が心配だ」
 グウェンダルは、コンラッドの言葉にため息を返すと、静かにスプーンを置いて膝に置いていたナプキンで口をぬぐう。
 「あまり警護しすぎるというもの問題だぞ。あらぬ憶測を呼んでむしろ陛下の居場所を知らせるようなものだ。それよりも…」
 グウェンダルがオレを見つめた。…なに?
 なぜだかグウェンダルはナプキンをぎゅっと強く握りしめて、席をあわただしく立ち上がった。食事中に席を立つなんて、グウェンダルらしくない。なにかを堪えるように席を離れて、途中で立ち止まった。
 「魔王陛下の決済待ちの書類がたまってかなわん。早く戻ってきてほしいものだ」
 背中越しにそれだけを言うとグウェンダルは扉の向こうへと去っていった。…ごめん、グウェンダル………………あれ?
 ひょっとして、早く戻れって言った?いつもは「居ても居なくても書類が減る量は変わらない」って言うグウェンダルが?もしかして、心配してくれたとか?
 じわじわと体の中からしっぽに向けて静電気みたいな感覚が広がっていく。……うわー…結構、嬉しいかも。
 オレは最後に残ったひとかけらの肉に勢いよく食らいついた。やっぱり気合い入れて戻らないと。色んな人がオレのことを待っていてくれているんだから。


 でも…やっぱ、どーしたらコンラッドにオレだってわかってもらえるわけ?
 夕飯の後に戻ったコンラッドの部屋でもオレは再び頭を抱えて思考した。ふたりだけに解ることって、考えてみると…ないのか?え?まぁ、たしかに何年もつきあっている間柄じゃないし。コンラッドとオレってば、そーゆー意味では初々しい間柄だよな?
 …やっていることはしっかりイきついているけど。なんていうかルールというかお決まりみたいなことってないし。
 ─ユーリ…。
 やりきれないような熱を帯びた声が頭に響く。あわわ…思い返すと恥ずかしくなるような場面を思い出して、オレは頭を抱えた。ふだんはやっばり「陛下」と呼ぶけど、二人っきりの…そんな時は、絶対にコンラッドは間違えることなく「オレ」をちゃんと呼ぶ。コンラッドがオレの名前を呼ぶと、それはまるで魔法の呪文のようにオレを痺れさせた。…早く呼んでほしい…かも。呼んで…ほしいな。
 オレが両手からそっと頭を出すと、コンラッドはタオルを抱えていた。
 「お前も風呂に入るのか?」
 うん。入りたいよ。
 「それは良かった」
 コンラッドは笑顔でそう言うとオレを抱えて、風呂場へと向かった。コンラッドは床にオレをおろすと服を脱ぎだした。オレはさっき自分が思いだしたこととかが蘇りそうで、慌てて目をそらす。しゅるりしゅるりと布が流れて立てる音が、やっぱりどこか艶めかしい。コンラッドはただ風呂に入るだけなんだってばッ!しっかりしろ、自分!
 「どうした?…あれ?もしかして、お前…」
 え?なに?まさかコンラッド、オレのことが?
 コンラッドはオレを抱きかかえて顔の高さまで持ち上げた。
 「オスだよな?恥ずかしがるから、てっきりメスとか…」
 な、な、なにをまじまじと見ているだよ〜!!
 オレは足を思いっきり蹴り上げてコンラッドの顔を蹴った。じたばた暴れるオレをコンラッドは落ちないように抱きかかえて浴室に入る。
 「いてっ。悪い悪い。男同士なんだからいいだろう?…って爪は立てないでくれ。なんだかユーリみたいだな」
 へ?
 オレが虚をつかれた拍子にコンラッドがお湯をかける。
 「ん?どうした?」
 コンラッドが石けんを泡立ててオレの体を洗ってゆく。オレみたいって、今言わなかった?あ、でもオレだとわかんなきゃだめなんだよな。ちぇっ。コンラッドの大きな手が丁寧にオレの体の上を滑る。
 「ずいぶんとおとなしいな。動物は本能的に嫌がるんだが…こっちは助かるけど」
 いつもしてもらっているしね。コンラッドと…した後は、コンラッドがオレの体を洗う。その届かないところとか、自分で洗えないところとかあるわけで…それでもって、また風呂場でもしちゃったりもするわけで…おとーさん、おかーさんごめんない。孫には会わせられないことになっちゃったよ。
 「ひょっとして、こわいのか?もう少しだから我慢してくれ」
 違う、違う。ちょっと人生の選択について悩んでいただけ。
 コンラッドはオレの返答に小さな笑顔を返す。しっぽの先まで丁寧に洗うとお湯をかけてきれいに泡を流した。
 「耳に水が入らなかったか?」
 大丈夫。
 さすがにお湯に浸かるのは無理かな?オレは浴槽に手をかけてのぞき込んだ。
 「よかった。…入りたいのか?お前にはちょっと深いから…俺と一緒に入ればいいか。ちょっと待ってもらえるか?」
 いいよ。
 オレが頷くと、コンラッドが体を洗い出した。掛け湯が飛ぶので、ちょっと離れると、傷だらけになったコンラッドの体が湯気の向こうによく見える。いつ見ても痛々しい。特に腹と肩の傷が大きくて、それはさすがにギーゼラの癒し手をもってしても消えないらしい。
 最初に目にした時、まるで自分が傷ついたようなそんな感覚になった。もう平気ですよと言うコンラッドの笑顔が切なくて、今思い出しても体に痛みが蘇る。だって、もうなんてことないよって笑顔だったんだ。それはつまり、そのときは心も体もなんてことなったわけじゃないことが判る笑顔だった。
 昔、激しい戦争でコンラッドは大切な人を喪い、重傷を負ったことは知っている。でも知っていることと判っていることは違うんだって、初めて解ったのはこの傷を見たときだった。オレに本当にすごい魔力があるなら、その傷が消えればいい。過去は変えることはできないけれど、少しでもコンラッドの痛みが消えばいいな、そう思ってその肩の傷にキスしたら、コンラッドはものすごく喜んだ。
 「お待たせ」
 おっ。オレが感慨にふけっている間にコンラッドは体を洗い終わったらしい。オレを抱えて浴槽に入った。
 はぁ〜、極楽、極楽。風呂はいいねぇ…風呂は人が生み出した文化の極みかもな。
 「そんなに気持ちいいか?そういえばユーリも風呂に浸かっているときは幸せそうな顔をするよ」
 だってものすごく幸せなんだって。
 「ちょっと悔しいくらいね」
 ん?悔しい?
 「だって、俺以外のことで幸せな顔をするから」
 へ?
 ひょっとして…嫉妬している?風呂に?コンラッドが?
 「わからないだろうね。ただユーリを幸せにするのは、自分だけだとそう思いこんでいるんだよ」
 みっともないけどね、そう自嘲気味にコンラッドが笑う。うわー…どうしよう。オレの体の中でうれしさと照れくささがないまぜになって、ぐるぐると駆けめぐる。こんな風なコンラッドを見るのは、初めてだ。いつもはもっと余裕がある大人の顔か、熱を帯びた大人の男の顔しかみせない。ちょっとネコになってよかったかも。
 オレが密かな喜びに浸っていると、コンラッドはオレを抱き上げたまま風呂から上がった。丁寧にオレの体を拭くと、扉を開く。
 「ここは寒いから、風邪をひくかもしれない。暖炉の近くに行くといい」
 そうするよ。
 扉を抜けて火が踊る暖炉の前に近寄った。暖炉の前の床にはマットがあって、ちょっど座りやすい。ぶるっと体を震わせると、オレはそのマットに座って体を乾かした。あ〜温かい。
 体はほかほか、床は暖炉のおかげでぽかぽか。ここも極楽かも…。ぁ…オレってば、こんなネコライフを満喫している場合じゃ…ないんだった…。考えなきゃ…コンラッドに気づいてもらわないと…。
 遠くで薪がパチンと鳴ったような気がする。だけど、オレは抗えずに温かい闇の中へと落ちていった。


 なんだかベッドマットが固いかも。
 そんな違和感がして、オレは目が覚めた。部屋の中は暗くてまだ朝までは遠い。暖炉の火はちょっとだけ穏やかになっていたけど、まだ点いている。
 あ、オレってば暖炉の前で寝ちゃったんだ。体はすっかり乾いていた。見渡すと、ベッドが少し膨らんでいた。
 そっちに引き寄せられるように向かうと、寝息が上から聞こえた。オレは静かにベッドの端っこから上へと飛び乗る。コンラッドを起こさないように近づくと、めったに見られないコンラッドの寝顔が見えた。闇の中で静かにコンラッドの寝息が流れている。
 「ん…」
 シーツがかすかに動いた。起こしちゃったか?そう思ってちょっと後退したけど、コンラッドの目は閉じたままだった。
 ゆっくりと近づくと、シーツから古傷のついた肩が少し見える。いつも思うんだけど、コンラッド、寒くないのかな?必ず上は着ないんだよな。まぁ…ここにオレがいるときは、オレが上着を使っているんだけど。
 暗い中で目が慣れてきたころ、コンラッドの唇がかすかに動いているのが見えた。なに?夢でも見ているのか?
 悪い夢でなければいいと思いながら、オレはコンラッドに近づいた。声は聞こえない。ただ、その唇は単純な動きで、そしてよく見知った形だった。
 オレを、呼んでいる。
 コンラッドのそばに居るよ。コンラッドは夢の中でオレに会っているんだろうか?それとも捜している?
 でも、オレはここにいる。オレを呼んで、コンラッド。
 祈るような気持ちでオレはコンラッドの顔に近づいた。唇には、恥ずかしいから顎にキスをする。
 どうか、お願い。
 あのとき、傷にキスしたようにもう一度肩の傷にもキスを落とす。するとコンラッドの体が揺れた。今度こそ起こしちゃったか?
 瞼が揺れて、うっすらと開く時まだ焦点が定まっていない目がオレを捕らえた。
 「ユー…リ?」
 え?
 かすれながらコンラッドの声がオレを呼んだ。すると、体の内側からなにかが膨らむような感覚が広がる。
 え?なにが起こったんだ?
 ものすごい力が体の中から外へと走る。その感覚が体の外へと抜ける瞬間、視界が真っ白に輝いた。なんかヤバい気がするっ。
 ボンッ!
 目を閉じた中で、オレは破裂するような音を聞いた。おかしな衝動は収まって、体からは力が抜けてた。
 「ユーリ…これは一体?」
 「え?」
 顔を上げるとコンラッドが呆然とした表情で、オレを見ていた。温かい腕がオレの腕に触れる。
 「コンラッド…」
 「はい」
 オレの声にコンラッドが答える。
 「いつの間に眞王廟から戻ったんですか?しかも…」
 コンラッドの目がオレを見ている。手を見るとちゃんと5本指があった。肉球はもうない。
 「よかった〜。元に戻ったぁ…」
 安心して、オレはコンラッドの腕の中で脱力した。
 「元にって…どういうことですか?」
 あ、コンラッドは、オレがネコになったことやアニシナさんのついた嘘のことを知らないんだった。
 「しかも…ものすごく魅惑的な格好ですが」
 へ?オレは思わず体の下をみた。ちょっと寒いと思ったら、オレはまっぱでコンラッドの上に乗っかっていた。
 「うわ〜!!」
 「そんな恥ずかしがらなくても…誘いに来てくれたんじゃないんですか?」
 コンラッドは意地の悪い笑顔でオレのこめかみにキスをした。
 「違うッ!違うからな!これにはものすごく深〜い訳があるんだからな!」
 「聞かせて下さい。それはそうと、寒いでしょうからまずはベッドの中に入って下さい」
 コンラッドがシーツをめくって、中へとオレを招き入れた。ベッドの中に入るとシーツに移ったコンラッドの体温がすぐにオレの体を温める。さらに、2本の腕がオレの体を包み込み、閉じこめた。
 「ただいま、コンラッド」
 「おかえりなさい」
 笑顔のコンラッドが近づいてきて、オレは目を閉じた。唇に触れた温かさが次第に深くなる。腕を伸ばして、愛しい体温を抱きしめたとき、オレはやっと戻ってきたことを実感した。


 「へいくわぁぁぁ〜!!!よく、よくお戻りにぃ〜!!!」
 翌日の朝、食堂に現れたオレにギュンターは汁を飛ばしまくった。涙はもはや噴水並。
 「まったくお前は人騒がせな王だ」
 プーはため息まじりに、優雅にお茶をすすった。なんだよー。もともとお前の剣がぶつかって落ちたんだぞ。
 「元に戻ってなによりだ。陛下、ご裁許待ちの書類がございますので、今日からまた政務にお励み下さい」
 グウェンダルはオレを一瞥すると、きりきり働けとばかりに言い放った。うえー。
 オレは目の前にあった卵料理を先割れスプーンで口の中へと入れる。うん。おいしい。まぁ、グウェンダルはオレが戻るのを待っていてくれたわけだし?それに、この料理を作ってくれているかもしれないあの子もオレを待っていてくれたんだから、王様稼業を頑張らなきゃいけない。
 オレがサインを出さなきゃ試合は進まないんだから。
 「さぁー!今日も張り切っていこー!」
 オレのチームで頑張ってくれている人たちのために、やっばりオレはネコじゃなくて魔王じゃなくちゃだめなんだ。


−終−



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